3週間前から、Economist誌で、経済学における6つの重要なアイデア、というシリーズが連載されている。選ばれた6つは以下の通り。
1. アカロフの情報の非対称性 (http://econ.st/2a8xmGS)
2. ミンスキーの金融サイクル (http://econ.st/2amLUH7)
3. ストルパー・サミュエルソンの定理 (http://econ.st/2aHaTE3)
4. ケインズ乗数(http://econ.st/2bl1G1J)
5. ナッシュ均衡(http://econ.st/2vSZZDb)
6. マンデル・フレミングのトリレンマ(http://econ.st/2cm0EXB)
最新号はストルパー・サミュエルソンの定理である。ここでは、それぞれについて中身を書いたりしないけれども、専門家でなくてもわかるように書かれているし、それぞれのトピックについて、その関連トピックについても書かれているので、学部生などにぜひ読んで欲しいシリーズである。例えば、アカロフの回は、レモンの話だけではなく、スクリーニングやシグナリングの話もわかりやすく書かれている。次回は、ケインズ乗数、マクロ経済学をちょっとやっている身としてはとても楽しみにしている。
専門家でも、アカロフのペーパーがAERやREStudに簡単すぎる(trivial)としてリジェクトされたり、JPE にもリジェクトされたあとに、QJEに掲載されたという話や、ストルパー・サミュエルソンのペーパーがAERに、適用範囲の狭い(narrow)理論だといってリジェクトされたという小ネタで楽しめる。
Economistの1970年代ケインズ経済学的な姿勢にはしばしば同意できないこともあるけれども、こういう記事をスタッフが(経済学者に見てもらっているかもしれないけれども)書けるというのはすごいことだと思う。日本の雑誌じゃあ無理なんじゃないかな。
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