Saturday, March 05, 2016

One More Thing...

なるべく早く与太話のようなことはやめてアカデミックなエントリに戻る予定なんだけれども、もうひとつだけ。

保育所のような話は、どうやって親が働きながら子供を育てやすい社会にして、子供をどうやって増やしていくか、みたいな文脈のもとで議論されることが多いようだけれども、政策を多少変えたところで子供の数なんてのはそう簡単には増えない。所得が増えれば子供の「消費」が減少するのは自然な話である。晩婚化も子供を作りにくくするだろう。

例えば、ドイツやらイタリアの政策あるいは子育て環境は日本よりよいかもしれないが、出生率は日本と変わらない。下のグラフはG7の国の出生率を比べたものである。経済が成長して所得が増えれば(そして乳児死亡率が下がれば)自然と下がっていくものであり、政策の貢献する余地は小さいのかもしれない。


アメリカの出生率は高いが、移民(1世)の出生率がアメリカ生まれの人たちよりずっと出生率が高いことが大きく貢献している(どのくらいか調べたかったのだけれども、見せやすいデータが見つからなかった)。おそらくカナダも同じような事情だろう。フランスとかイギリスが何であんなに高いのかは気になるところである。

大騒ぎして、子育てしやすい環境を整備するためにお金を使って、どのくらいの費用対効果があるのか、を見てみたいと思っている。

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