Thursday, June 16, 2016

Journals, Journals, Journals

ちょっと前に、大阪大学社会経済研究所から、「9大学経済学研究科及び附置研究所の 研究業績比較調査(2015年)」というディスカションペーパーが出された(以下「社研DP」と呼ぶ)。そこで、上位と位置づけられているジャーナルと、安田さんの定義による上位ジャーナルを比べてみた。以下のテーブルは、安田さんが選定した「一流紙」35誌と、社研DPでトップ25誌とされたジャーナルを比較してみたものだ。

  • 当然だけれども、いわゆるTop5は両方に含まれている。AEJは安田さんは全て含んでいる一方、社研DPではAEJ Microが落ちている。その一方、安田さんはEconometric SocietyのTE、QEを含んでいるが、社研DPのトップ25誌は含んでいない。
  • 社研DPのトップ25誌には入っているものの安田さんのトップ35誌には入っていないものは、Journal of Applied Econometrics(JAE)、Review of Financial Studies(RFS)、Journal of Business and Economic Statistics(JBES)、Experimental Economics、IMF Economic Reviewの5誌である。JAEは安田さんが参考にしたランキングで32位、JBESは26位、どちらもEconometrics系でJournal of Econometricsの次に来る雑誌となっている。どちらもぎりぎりで落選したような感じだ。RFSはFinanceで3位であるものの、他の分野とのバランス上見送ったと説明されている。Experimental Economicsは安田さんが参考にしたランキングで58位、ちょっと格下という感じで、社研DPの方で上位25誌になっているのはちょっとびっくり。IMF Economic Reviewも同様である(そもそもPeer-Reviewがあるのかとか知らない)。
  • 安田さんのトップ35誌に入っていて、社研DPのトップ25誌に入っていないものは、AEJ Micro、TE、QE、の他に、IER、RED、JMCB、JLEO、JDE、JPuBE、JUE、GEB、JEH、J of Law and Econ、JHEである。そのうち社研DPのトップ50にすら入っていないものはTE(トップ100にすら入っていない)、JEH(トップ100には入っている)の2つである。

社研DPによると、過去5年間で、トップ25誌に出版した数の平均は一番高い京都大学経済研究所でも0.26、つまり4人で一本である。Medianは分析の対称になった9大学全ての学部および研究所でゼロ。悲しくなるくらい少ない。京都大学経済研究所以外で平均が0.1を超えているのは東大経済学部(0.14)と一橋大学経済学部(0.11)だけで、あとは平均して10人で1本以下しか、過去5年でトップ25誌に出版していない。分析対象の9大学・付属研究所の全平均は0.07、つまりこれらのトップの機関に所属する経済学者は、過去5年に14人に一人しかトップ25誌に出版していない。

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