On Sustainability of Large Public Debt

というわけで(エントリ数を稼ぐために)いつもと違うタイプのエントリを。

ギリシャのsovereign debt crisisやアメリカの政府債務の急速な増加を受けて、政府の債務のsustainabilityに関する議論が活発に行われている。先日もTime MagazineでJeff Sachsがわかりやすい解説をおこなっていた(近々カバーするかもしれない)し、今日は、FTのLEXコラムで、日本の政府債務に関するコラムが書かれていたようだ。

但し、どの債務のレベルがunsustainableかという質問に答えるのはとても難しい。とりあえず考え付くのは以下の3つである。

(1)おそらく、unsustainableになった際には、急速にcrisisに落ち込むと思う。じわじわ予兆が出てきて、ああまずいぞ、何かやらなくては、と考える時間はないと思う。気づいたときにはもう遅い類の問題だと思う。

(2)では、経済学の理論を使って、どの債務のレベルまでがsustainableかについて信頼できる議論ができるか?難しい。なぜなら、現在のような発達した金融システムの中で日本のようなハードカレンシーを持つ先進国がデフォルトした例はない(か、とても少ない、誰か教えてほしい)からである。モデルを作ることはできるが、どの政府債務のレベルがunsustainableかを導くためには何かモデルをカリブレートするためのアンカーとなる例が必要なのだけれどもその例がない(あるいは少ない)。近い例では、最初にあげたギリシャか1997年の韓国、ロシア、あたりであろうが、これらの国で起こったデフォルトを元に日本やアメリカの政府債務のunsustainabilityを議論できるか、僕には自信がない。逆に言えば、モデルを微調整することでどのようなunsustainableな債務のレベルも生み出せると思う。

(3)(1)とも関連するが、デフォルトが起こるとしたら、self-fulfillingな要素がある可能性がある。そうだとすると、Unsustainableな政府債務のレベルがわかっていたとしても、そのレベルに到達する前にrunが起こる可能性がある。

唯一言えることがあるとすれば、現在の日本のように債務を増やし続けていたら、いつかは破綻するということ位であろう。そして、債務の問題が深刻化する「兆し」が見えたら対策を考えようというマインドセットでは多分、実際に問題が起こったときには手遅れとなるで可能性が少なからずあると思う。現在の日本の状況は、目をつぶって、崖に向かって歩いているようなものである。しかも、困ったことに、多くの国民や政治家さえもが、崖があることすら認識していないように見える。

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