- 日本政府がGDP600兆円を目標にするらしい。そもそも、物価がどのように決まるかもわかっていない(というかわかろうとする努力をしているとは思えない)ので、物価上昇率のターゲットもぜんぜん達成できなっかたのに、さらにどうやってコントロールしていいかぜんぜんわかっていない(多分教科書で読んだIS-LM-AD-ASとかを考えているのだろう)実質GDPも背後にある名目GDPのターゲットが実現できるわけがない。Cochraneが書いていた例を使うが、クライマックスシリーズ出場をまずはターゲットにして、それが2年間の間に達成できなかったらやめますといっていた監督はなぜか責任を問われずそのままで、じゃあ、気分を変えて日本シリーズ制覇をターゲットにしようといっているようなもんである。プロ野球の例を考えていて思いついたんだけど、日本というのは、理論より気合を重視している(というか理論なんてわかっていない)ように見える人が監督のベイスターズのようなものだ。まぁ、日本の経済政策なんてだれもまじめにとらえていないだろうが、それにしてもどうやってこのようなことになったのか。
- やっぱり消費税の軽減税率は導入されるようだ。まぁ日本ならこういうことになるだろうと思っていた。軽減税率は経済学者がほぼ全て(反対で)同意しているというまれなトピックなので、何とかならなかったのかなぁとは思うが、まぁ日本だし、こんなもんか。
- 「再配分」というのが最近よく聞かれるようになった。「再配分」が注目を浴びること自体は好ましいことだと思うが、「再配分」に賛成であれば、弱者の見方であり、経済政策について真剣に考えている、というような態度とをる人が多いのには違和感を覚える。こういう人にとっては、「再配分」に賛成でない人は、経済についてちゃんと考えていない、血も涙も無い市場原理主義者のように考えているようだ。個人的は、「再配分」重視というのはは個人の選好に過ぎず、「再配分」重視反対という意見も、「再配分」重視という意見と同じ位の基盤しかないと思う。生まれてくる前の人やまだ子供で将来の所得がどのようになるかわからない人が、将来所得が確定してからの「再配分」に賛成するというのは社会保険の観点から正当化できるだろう。将来の所得がどうなるかわからない状態では、結局所得が低かったら所得移転してもらい、結局所得が高かったら所得の低い人に所得を移転するという契約は十分正当化されると思う。その一方、既に所得が低い人が「再配分」と騒いでも、それは、宝くじで外れた人が、外れた後で、あたった人からはずれた人へ所得を再配分すべきといっているようなものだ。所得が高かった人には高率の税金をかけて、所得が低い自分はそのお金を受け取ってもよいと、所得がわかった後で考えるのは、必ずしも正しいことではないと思う。
- 何かの話で、経済セミナーに数式が多すぎるみたいな話が出てきていた。誰のインタビューだったかは忘れた。インタビュー自体は、最新の経済学の流れについていっていない人のわけのわからない批判のようなものが主だったが、経済セミナーに数式が…というくだりは、僕も共感を覚えた。もう何年も前に経済セミナーは一生読むまいと思って以来読んでいないので、最近は違ってきているのかもしれないが、数式は思考をクリアに表現するための道具なだけなのに、数学を残しすぎている気がする。一般向けであれば、元のモデルは数式で記述されて、結果を得るにあたっては数学を使うにしても、一旦結果が得られた後は、平易な日本語で説明できるはずなのにそういうプロセスを踏んでいない気がする。もちろん分野にもよるだろう。ハードコアな理論であれば、数学のパートが重要だろう。しかし、マクロのようなアプライドの分野なら、結果が得られた後は数学は不要なように思う。それなのに中途半端に数学を残しているので、大学院生や経済学を数学として学びたい人向けのマスターベーション用の書物となっていた気がする。対象とする読者が狭いからだんだん縮小していっているのだろう。数学と関係ない記事もあるんだけれども、その場合、経済学の最先端で活躍している人もいるけれども、なんかよくわからない人を持ってくる人が多い気がする。個人的には、日経ビジネスの「気鋭の論点」のほうがずっとよくできていると思う。将来経済セミナーを追い越す日が来てもおかしくないと思う。
Random Thoughts
雑感ポストだらけで心が痛むが、秋になっていろいろな新しい論文を見聞きする機会が増えてきたので、ちょっとがんばって再開しようと思う。とりあえず今日だけは雑感。
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