1.アメリカでは所得で下位20%の親から生まれた子供が上位20%に到達する確率は7.5%であり、カナダの半分強しかない。
2.親の所得を0-100にランク付けし(X軸)と子供の所得も同じように0-100にランク付けすると(Y軸)、その関係は強く相関している。
3.所得で上位20%の子供の親がどの所得層(上位20%(紫)から下位20%(濃い青)まで分類)に位置するかを見てみると、その分布は1970年以来変わっていない。
4.それぞれの年に生まれた子供の所得が親の所得を超える確率は1940年生まれの90%から1980年生まれの50%まで低下した。
5.所得上昇の可能性は地域によって大きな違いがある。下のグラフは親の所得が下位25%の子供の所得がどのランク(薄い色はランクが高く濃い色はランクが低い)であるかを示している。南部と中西部では子供の所得のランクも平均的には低いが、それ以外の地域では所得上位に位置する子供も多い。
6.親が所得が変化しにくい地域から変化しやすい地域に移った場合、子供が若い時に移るほど、子供が結婚する確率も上がるし、所得や教育にも好影響がある。
7.ランダムに選ばれて住宅バウチャーを 受け取って「いい」地域に移った家の子供(濃い青)は、バウチャーを受け取らなかった家の子供(薄い青)より所得が高まった。
8.「よくない」地域で育った子供の所得に与える負の影響は男子のほうがずっと大きい。ボルチモアで育った男子の所得は平均より28%低くなる(女子は5%低下)。
9.貧困の中で育った場合の負の影響は男の方が大きい。X軸に親の所得のランク、Y軸に働いている人の割合(青は男性、赤は女性)をとると、青の線の方が傾きが大きい。
10.経験豊富な幼稚園の先生は将来の所得に大きな影響を与える。幼稚園で10年以上経験のある先生についた子の所得(濃い青)は経験が10年未満の先生についた子供の所得(薄い青)を上回る。
11.大学は親の所得にかかわらず子供の所得を大きく高めることができる。X軸は親の所得のランク、濃い青はエリート大学に行った子供の所得、青はその他の4年制大学に行った子供の所得、水色は2年制の大学に行った子供の所得である。どのケースにおいても、大学は所得の不平等を緩和する(所得の低い親の子でも大学に行けば所得が大きく上昇することが多い)役割がある。
12.しかし、高校卒業後すぐに大学に行くか否か(Y軸は18-21歳で大学に行っている子の割合)は親の所得(X軸がそのランク)に大きく相関している。
13.発明家(30歳までに特許を取った人とする)になる確率(Y軸)は親の収入(X軸がそのランク)に大きく依存している。
14.所得の違いは寿命の違いに強く相関している。青い線は男性の平均寿命、赤い線は女性のもの。X軸は所得のランク。所得上位の男性と下位の男性では平均寿命が10歳も違う。
0 comments:
Post a Comment