Davis on Job Creation

Steven Davisがjobを増やすための政策を提言している。大竹さんが簡潔に整理していたけれども、僕にはいくつかすぐに理解できなかった点があるので、もう少し噛み砕いて書いてみる。
  1. 企業が提供しなければならない最低限の健康保険の内容を簡素化すべき。シンプルなLabor search and matchingモデルを考えると、もし企業によって提供される保険がすべて労働者にとって必要なものであれば、企業が払おうが労働者が払おうが雇用には影響を与えない。雇用者が提供する保険に不要なものが含まれる場合、不要なオプションのコストは追加的なhiring costと同じ効果を持つので、equilibrium vacancyの数を減少させる。
  2. アメリカでは保険会社が州をまたいで営業をする際の規制があり、競争を阻害している。このような規制は撤廃すべき。
  3. 最低賃金を一時的に廃止すべき。最低賃金は、特に若者の雇用に負の影響を与え、若者が仕事を通じて成長する機会を奪う。search frictionしかないシンプルなモデルを考えれれば当然のimplicationなんだけれども、job creationだけでなくて、もっと一般的にsocial welfareを考えると、既に職をもっている労働者の賃金への下方圧力とのトレードオフを考えなければならない。例えば、新卒には最低賃金を適用しないようにすることが現実的に可能だろうか。
  4. 労働組合を結成するか否かを決めるための投票を記名式に変えるという法改正はやめるべき(ということのように読める)。労動組合は新規に採用する労働者から得られる企業のprofitを減らすことを通じて新規の雇用を減らすということか。
  5. 失業者がなるべく早く再就職できるようにするためのさまざまなプログラムを実験的に実施して、結果を分析すべき。

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