Research at Central Banks

Francis Dieboldのブログは、他とは違った面白い視点を提供してくれることもあって楽しみにしている。ちょっと前の話だが、このエントリで、FRBのSupervision and Regulation Divisionに法律家がたくさん採用され始めたことで、FRBのリサーチのカルチャーが損なわれるのでは、と危惧していた。彼が言うとおり、Great Recession以来、中央銀行は(特に銀行以外の)金融機関の監督により力を割く方向に向かっており、かつDodd-Frankを適切に運用するためには法律家の専門知識が必要だというのは理解できるが、法律家が経済学者による自由なリサーチのカルチャーを損なわないようにしないといけないと言う懸念には共感を覚えた(もちろんポジショントークだ)。

これは居酒屋談義のようなレベルの話だが、日本銀行が他の主要中央銀行に比べてリサーチを重視していないように見えることは、法学部の人が多い(力があるように見える)ことと関係しているのでは、という話を思い出した。Ph.D.が在籍する金融研究所はあるが、そもそも短期雇用で数年するといなくなる人が多いし、Ph.D.を持つ経済学者ががリサーチ部門から金融政策決定に関わるレベルに上がっていくという話もあまり聞かない。そもそも最も重要な意思決定機関である政策委員会メンバーの9人のうちPh.D.をもつ経済学者は2人しかいないし、FRBのように、メンバーのそれぞれが、独自に金融政策を動かすための研究をするたくさんのリソースが与えられているようにも見えない。

それに、金融研究所も、トップがどれだけ研究に理解を示すかによって居心地がよくなったり悪くなったりの触れが激しいという話も、アメリカにいる学者仲間から聞いたことがある。考えられるのは、リサーチに優れた経済学者を重んじるカルチャーが根付いていないので、リサーチがどれだけ重視されるかが、トップのパーソナリティに大きく左右されるということなのかもしれない。

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