Are there so many university staff in U.S. universities?

とても中途半端なポストなんだけど、これ以上調べる時間も気力もないので、メモ程度に書いておく。きっかけとなったのは、Twitterで見かけたこの記事である。この記事によると、東大とシカゴ、スタンフォードで、教員一人当たりの学生数は大差ないけれども、教員一人当たりの事務員の数が圧倒的に違う(東大のほうが圧倒的に少ない)というのが記事の主要なポイントのようである(記事の出だししか読めないがそんな感じだと思う)。こんなことしていいのかわかんないけれども、この記事のテーブルをコピーしてみる。
この表によると、東大では正規の教員一人当たり0.7人の事務職員がいるのに対して、シカゴ大では4.8人、スタンフォード大では5.3人もいるそうである。この記事がいいたいのは、アメリカの大学の教員が研究に集中できるのは事務職員が多くてサポート体制が充実しているからだということらしい。

これをみて、本当かな?と思った。シカゴの経済学部はマクロのエリアはみたことがあるけど、教員一人に一人以上のセクレタリーとかがいるわけではない。職業柄いろんな大学の経済学部にお邪魔する機会があるけれども、日本の大学に比べて事務室に圧倒的にたくさんの人がいるなんて思ったことはない。事務室の雰囲気は東大とか慶応と同じようなもんだ。というわけでちょっと検索してみた、というだけのことである。

シカゴは詳細な情報が見つからなかったけれども、スタンフォードの場合、ちょっとだけ細かい情報があった。2015年には11,581人のスタッフ(教員以外の職員)がいるけれども、そのうち1,389人はSLAC(国立加速器研究所)の職員なので、ちょっと別物だと思う。そのほかでは、6,248人がmanagerial and professional staff、2,881人がclerical and technical staff, 963人がservice and maintenance staff、ということであった。それぞれのカテゴリーが日本で言うとどのような職種の人たちなのかわからないけれども、狭義の事務職というと、最後の二つ、つまり、3,844人が当てはまるのではないかとも考えられる。まぁ、これでも、教授一人あたり(1.8人)では東大よりかなり多いけれども、スタンフォードややシカゴはお金のある私立の学校なので、東大と比較することがそもそも難しいのかもしれない。最初のカテゴリーなんだけれども、TAとかRAとか図書館のカウンター係とかやっている学生とかなんじゃないかと思って調べてみたところ、995人の学生が教えていて、2,004人の学生がそれ以外の補助として働いていると書いてあった。これらが確実に6,248人に含まれるとは書いてないけれども、そうなんじゃないかなぁ。

そもそもシカゴやスタンフォードは私立なので情報もあまり公開されていないし、国立大学の東大と比較するのはちょっとアンフェアだと思うので、アメリカの公立大学のトップであるUCバークレーと比較してみよう。UCの場合、かなりの情報が公開されている(興味があるなら、経済学者全員の給料も検索すれば出てくる、スターは公立にしては意外ともらっているのに驚くだろう)ので、シカゴやスタンフォードよりちゃんとした情報があった。

では基本情報から。2014年の生徒数は37,581人。うちわけは大学生27,126人、大学院生10,455ということで、東大より40%程度多い。アメリカの場合、公立大学は巨大なのが多いので(例えばオハイオ州立大学は55,500人程度。テキサスA&Mは58,500人位である)東大と人数が近くてとてもいい学校というのはバークレーくらいしか見つからなかった。バークレーのフルタイムの教員数は1,522人。フルタイムの教員一人当たりの学生数は17.8人と、東大(6.9人)の2.5倍である(もしかしたらフルタイムの教員と正規教員は正しい比較じゃないのかもしれない)。

ではスタッフはどうか?UCシステム(University of California全体のこと)のスタッフについて纏めた書類が見つかったので、それを参考にした。2010年のものだけれども、傾向を大まかにつかむのはこれで十分だろう。全職員数(パートタイムも含む)は12,154人(この数字には病院は含まれていない)。確かに、東大の2,700人に比べてむちゃくちゃ多い。但し、その内訳を見ると、大学で何らかの仕事で働いている学生が4,301人もいる。それを除くと7,853人。フルタイムの教授一人当たりでは5.2人。東大(0.7人)をはるかに上回って、スタンフォード並の高さなんだけれども、バークレーの場合、計算に使った教員数がとても少ないので、高い数字となったという面もある。例えば、東大並みの学生・教授比率だとすると教授数は3,900人。これで計算すると教授一人当たりのスタッフ(学生を除く)は2.0で、東大よりやっぱり多いけれども、5倍とかではない。

結局、何が言いたいのかわからない状態になってしまったが、日本の大学との大きな違いはアメリカの大学は学生を大量に雇っているということなのでは、と思っていろいろ検索してみたけど、中途半端になってしまったということだ。僕にとって、疑問なのは、何で、試験や宿題の採点とか、成績の計算とかいったことを大学院生に委託できないのかということだ。それができると教授のほうも学生のほうもずいぶん違うと思うんだけどなぁ。ちなみに、このポストでは、日本の大学の「事務職員」に学生は含まれていないと仮定しているが、間違っていたら教えて欲しい。

それに、本当にもっと時間があれば研究ができる教員がいるのであれば、「正しい」経済学者の態度としては、ほかの大学がより多い研究時間(ティーチング減免)やTA・RAを雇うお金をオファーして引き抜けるようにすればいいだけだと思うんだけど。

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