On Netflix (from NPR)

Netflixの人事政策について話題になっていたので、ぜんぜん専門外の話だけど、ちょっとメモしておく。最近NPR(National Public Radio)でNetflixについて聞いたからだ。これがそのポッドキャストに関連した記事である。たぶんIT業界や人事業界の人はずっと前に聞いた話だと思う。まぁ、久しくポストしてないからお遊びのようなポストである。

NetflixのPatty McCordという人は、Netflix創業間もないころからの従業員で人事のスペシャリストのようだ。彼女がNetflixの人事政策を説明したプレゼン資料は、たぶんNetflixが急成長してたからだろうが、そのころのシリコンバレーで知らなきゃモグリのようなものだったらしい。たぶんこのリンク先にあるのがそのスライドである。有名になったフレーズをいくつか拾い上げてみると、

  • われわれはファミリーではなくてプロスポーツチーム(子供のお遊びチームではない)である。有能な人材を雇用し、育て、(必要なくなったら)解雇することで、すべてのポジションにスターを維持できる。
  • 一生懸命働くことだけでは雇用は保証されない。
  • とても優秀な人だけを残すことで、職場がすばらしいところであり続けられる。組織が大きくなって複雑化したりすることでダイナミズムが失われたりするのを避けることができる。

こんな感じである。Netflixは結果ですべて決まるという方針を徹底しているので、休暇の取得に制限はなく、出張のために許可を求める必要もないらしい。NPRではもう少し具体的なエピソードをいくつかあげていた。たとえば、ITバブルがはじけて業績が落ち込み、120人いたスタッフの1/3を解雇しなければならなかったときには、機械的に会社への貢献度が高い人から順に解雇して、創業以来がんばってきた社員も容赦なく切ったとか、オンラインストリーミングへのシフトを進めていた頃、自前のサーバを使うのをやめて、アマゾンのサーバを借りることにした際、オンライン化を進めてきたスタッフが、サーバを内部で持たないことで過剰になってしまったので、躊躇せず首を切ったとかいう話である。

このPatty McCordという女性は、その首切りをがんがん進めた人で、Queen of the Good Goodbye (よい別れ(解雇)の女王)といわれていたみたいだ。首を切るときには、あなたは優秀だから、会社はより効率的になってあなたが要らなくなったのよ、と言ったりしていたらしい。

この話にはオチがあって、彼女も、最終的には、クビになったのである。Netflixは2011年までは、月会費8ドルを払えばDVDのレンタルもオンラインでの視聴もできたのであるが、会社を二つに分けて、それぞれが8ドルの会費を取るという形態に移行することを決めたところ、大量の(80万人)解約が起こって(僕も解約したのを覚えている)、撤回させられたのである。彼女もその失敗の中心的人物であったらしく、この失敗のしばらく後で、Netflixを離れることになったとNPRでは言っていた。

僕は、どちらかというと(日本で訓練された)長時間労働で低い生産性を補う仕事のスタイルで、かつ仕事が遅いので、こういうところではすぐクビになると思うので、こういうところには雇われないだろうし、働きたくはない。それに、ちょっと位業績が少なくても、話してて勉強になって、ナイスな人の方を、業績は優れてるけどいまいちナイスではない人よりは採用したいなぁと思う。このポッドキャストを聞いていて、シリコンバレーというか、アメリカでやっていけるタイプではないんだろうなぁと思ったのを覚えている。

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