Why do we use high-inflation currency?

すっかり間が空いてしまった。クリスマスシーズンはついついだらけてしまう。とはいえ、このままでは週に1-2回という目標が新しいdecade早々から崩れてしまうので、とりあえず最近聞いたペーパーについて書いてみる。非常に雑に書くので、おかしなところがあるかもしれない。

インフレ率の高い通貨は至る所で使われている。シンプルなモデルで考えると、通貨を何かしらの理由で保有しなければならないなら(cash in advance constraintを想像してほしい)、インフレ率の低い通貨を持つ方が損が少ない。インフレはマイナスの金利と同じことだからだ。日本円とトルコリラのどちらかをしばらくポケットに入れておかなければならないなら、日本円で保有しておく方が(おそらく)損が小さいから、日本円をポケットに入れておきたいものである。

とはいえ、例えば、メキシコでは、米ドルでもペソでも多くの場合買い物ができるにもかかわらず、ドルがペソを駆逐する気配はない。非常にルーズな言い方をすると一見良貨にみえる通貨が一見したところでは悪貨な通貨を駆逐しないのである。

なんでだろう。

伝統的な説明は、上の例で言えば、ペソでしか支払えないものがあるというものだ。典型的な例は税だ。税金はペソで収めなければならないから、いくらかはペソを持つしかないのである。そうだとすると、メキシコは、ペソを放棄してドルを使うことにすればwelfareが改善するかもしれない。ペソでの納税を強要することによって、メキシコ政府は国民に害を及ぼしているのである。

Marianna Rojas Breu (2009)は、この伝統的な説明に代わる説明を提案している。キーとなるメカニズムは、債権者からすると、インフレ率の高い通貨の方が、融資が焦げ付いたり延滞された時の損が小さいというものである。メキシコで友達にお金を貸すとしよう。ペソでもドルでも貸すことができるものとする。ペソで貸した場合、借金が返ってこなかったり延滞されたとしても、割引現在価値で見た場合、損が小さい。インフレによって借金の価値は見る見る小さくなるからだ。一方、ドルで貸したとすると、割引現在価値で見た場合、借金が帰ってこない場合の損が大きくなる。このような状況では、ペソ(インフレ率の高い通貨)が使われている経済の方が、金融セクターが活発になる可能性がある。借金が帰ってこないとしても損が小さいのであれば、金融機関はよりリスクの高い融資を積極的に行う可能性があるからだ。このメカニズムが正しいとすると、借金がきちんと返済されるシステムが整備されている国と、借金がぜんぜん帰ってこない国では、米ドルが使われるのが望ましい一方、借金が返ってきたり返ってこなかったりする国では、ペソが使われるのが望ましいという、面白いnon-linearityが得られる。さらに、もし、彼女が提案する理由でメキシコがペソを使い続けているとしたら、ペソをやめて米ドルを使うことにするとwelfareが悪化するという、伝統的な理論と逆のwelfare implicationも得られる。

メカニズムも得られるimplicationも面白いペーパーなのだが、問題は、この理論をサポートするempirical evidenceを得るのが難しい点だと思う。いろいろな通貨が自由にどれでも使えるけれども、インフレ率が高い通貨が継続的に使われている例は探すのが難しい気がする。実際、ペソを保有することを強制されない僕は、メキシコでは、基本的に米ドルしか使わなかった。唯一ペソを使ったのは、ペソしか受け付けない自動販売機と公共バスだけである。

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