Trend in the Top Journals

Hamermeshが、1960年代から2010年代にかけて、トップジャーナルに掲載された論文の種類がどのように変わってきたかを整理している(NBER WP 19635)。トップジャーナルといっても、AER、JPE、QJEの3つしか見ていないので、ECO(とトップ5であればREStud)が入っていない分、理論が弱めに出ることも考慮に入れる必要があるだろうが、とりあえず彼が発見したことを箇条書きにしていく。ちなみに、彼は1963、1973、1983、1993、2003、2011年のデータをみているが、以下では1963年と2011年のデータだけ見ていく。1963年と2011年のデータはトレンドを反映しているので、特に問題はないと思う。
  1. 「トップジャーナルに載せる研究者の年齢は上がっている」1963年には35歳以下の著者の割合が51%、36-50歳の著者の割合は45%、51歳以上の著者の割合は4%であったが、2011年にはそれぞれ33%、48%、19%となっている。
  2. 「女性著者の割合は上がっているが、女性Ph.D.の数の増加ほどは増えていない」女性の著者の割合は1963年は5%、2011年は13%である。
  3. 「共著のペーパー、および共著者の数は増え続けている」1963年には単著が84%だったのが2011年には20%まで下がっている。論文あたりの著者数の平均は1963年は1.16、2011年は2.19である。
  4. 「データのない理論のペーパーは激減し、実証、特に自分でデータを用意したペーペーが増えている」Hamermeshはペーパーを(1)理論、(2)理論+シミュレーション(RBC系の論文はここに含まれる)、(3)自作でないデータ(政府が作るマクロ統計や家計データはここに含まれる)に基づく実証、(4)自作データに基づく実証、(5)実験、の5カテゴリーに分類した(カテゴリーは俺がパラパラ読んで決めたといっている)。1963年の分布は、(1)51%、(2)2%、(3)39%、(4)9%、(5)0%であるのに対して、2011年は(1)19%、(2)9%、(3)30%、(4)34%、(5)8%、となっている。しばしば言われる実証の優勢が確認されている。

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