How to Teach Undergraduate Macro?

Jim Hamiltonがブログで、UCSDの学部生に中級マクロを教える教科書としてCharles JonesのMacroeconomicsを使い始め、その教科書に満足していると書いていた。

彼によると、Jonesの教科書は以下の面で優れているようである。
  • データが充実している。2章がGreat Recessionに割かれている。
  • IS-LMフレームワークをまったく使わず、中央銀行は名目金利を決めるというNKフレームワークに基づいて金融政策を論じている。
  • 短期における総需要をコントロールするための財政政策の有効性について疑問を呈している。それに加えて長期的な政府の予算制約を詳しく議論している。
政府の政策も政策に関する議論もIS-LMを中心に回っている日本では使いにくいだろうなぁとおもう。Hamiltonも言っているように、Krugmanはこのような教科書は好きではないだろう。

どんな教科書か見てみたいものだが、最近は教えていないので、新しい教科書が片っ端から送られてくるという恩恵をこうむることができないので残念だ。この記事を読んで、今だったら中級マクロをどのように教えるかな、と考えてみた。Great Recessionが始まる前に学部向けの中級マクロ教えていたときには、以下のような構成にしていた(26クラス)。
  • 成長論、データ:2クラス
  • 成長論、成長会計:1クラス
  • 成長論、ソローモデル:4クラス
  • 成長論、内的成長論(人的資本モデル、R&Dモデル):2クラス
  • 財政政策、Dynasticモデル、リカーディアン:3クラス
  • 財政政策、代表的個人、1期間モデル、所得税や消費税:3クラス
  • 財政政策、 異質的個人、1期間モデル、税による所得分配:1クラス
  • 財政政策、OLGモデル、年金政策:2クラス 
  • 景気循環論、RBCモデル:3クラス
  • 金融政策、ルーカス:1クラス
  • 金融政策、フリードマン、テイラー:2クラス
  • 労働市場、サーチモデル、様々な労働市場政策の効果:2クラス
教科書はWilliamsonだったが、数学できちんとモデルを示していないことが多いので、シカゴで使われている、Barroの教科書用の副教材(教科書で使われるモデルが全て数学で厳密に説明されている)のようなものを自分で作って使っていた。今だったらどうするかを考えてみた。以下のような感じかな。
  • データ、成長論:2クラス
  • 成長論、成長会計:1クラス
  • 成長論、ソローモデル:3クラス
  • 成長論、内的成長論(人的資本モデル、R&Dモデル):2クラス
  • データ、不平等:1クラス
  • 財政政策、Dynasticモデル、リカーディアン:2クラス
  • 財政政策、代表的個人、1期間モデル、所得税や消費税:3クラス
  • 財政政策、 異質的個人、1期間モデル、税による所得分配:1クラス
  • 財政政策、OLGモデル、年金政策:2クラス
  • データ 、Great Recession:1クラス
  • 金融市場、BGG、清滝=Moore:1クラス
  • 景気循環論、RBCモデル:2クラス
  • 金融政策、フリードマン:1クラス
  • 金融政策、テイラー:1クラス
  • 金融政策、ゼロ金利制約下の金融政策(QE、FG):1クラス
  • 労働市場、サーチモデル、様々な労働市場政策の効果:2クラス

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