1. 2月15日近辺に夏の学会への論文提出の締め切りが(少なくともマクロでは)集中しているので、毎年この時期には、この夏はどんな学会があるのかなぁ、と考える。最近の傾向として、マクロにおいては中国の学会がだんだん増えてきている。あまり大規模なものではないが、大物をオーガナイザーとして据えて、比較的小規模で行うものが多い気がする。多分、比較的小規模なものやることで、参加者とのコネクションを作りやすくすることとかを考えているのでは。そうでなくても、Econometric SocietyやWorld Congress、今やSEDなども、大きくなりすぎて昔に比べて行く気がしない。日本の大学もこういうことをすればいいのに。
2. 人から聞いたことでデータを実際に見たわけではないので間違っているかもしれないが、安田さんのリストに載っているジャーナルのエディタークラスの人から聞いた話なのでそんなに間違ってはいないと思う話で、驚いたことを書いておく。例えば、Econometricaの論文の20%は引用がないそうである。まぁ、最近のEconometricaはAcemoglu枠のペーパー以外はとてもじゃないけど読めないなぁと個人的には思うのだけれども、もしかしたら本当に読んでいる人はあまりいないのかもしれない。多分、それなりにちゃんとしたジャーナルからの引用に絞っていると思うのだけれども。マクロのトップジャーナルのひとつであるReview of Economic Dynamicsにおいても、半分の論文は引用がない(Median number of citation is zero)だそうである。信じがたいので、データがあったら見てみたい。信じがたいと書いた一方、こんなひどい論文誰も読まないよという論文をrejectするようとしたらあっさりacceptされたというケースも多々あるので、まぁ、引用数は意外と偏っているものなのかもしれない。
3. またPikketyだが、Economistに日本におけるフィーバーぶりが書かれていた。この記事自体については、短いながらも面白い記事だったので、また別に書くことにする。何か日本でいろいろな話しをしたみたいで、とてもじゃないけど一個一個フォローする気もしないけど、これは面白いというものがあったら教えてもらえるとうれしい。不思議なのは、本の内容から察するにPikettyはもちろん普通の経済学者よりずっと博識なんだろうが、専門は所得と資産の不平等に関する長期のデータと、いわゆる最適課税理論である。そんな彼に金融政策の話とか、消費税の話とか聞いてもあまりしょうがないのではないか。もちろんあれだけの人だから面白いことをいえるのかもしれないが、学者を過大評価している気がする。あるいは、専門はないけど何でも話せるような「学者」に慣れすぎているのではないだろうか?多分そういうことを聞いた人もいるんだろうけど、高齢化が進む中で課税が不平等に与えるをどのように考えるかとか、高齢化が進む中でクロスセクションの不平等だけ見るのは適当なのか、といったこと聞いたほうがすっと面白いことを話してくれると思う。外国から来た有名人にわけのわからないことをさせるバラエティ番組のようなばかげているのはのはやめたほうがいいのになぁ。
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