1.Thomas Pikettyが日本に来ているらしい。最近まではそこいらへんの学会で見かけていた人がいきなりスターになった感じで、すごいなぁと言う感じだ。とても不思議なのは、翻訳した人がやたらでしゃばっていることだ。経済学のトレーニングを積んだ人には思えない。虎の威を借る狐とはまさにこのことだ。アメリカで英語訳した人はPh.D.だがその人がでしゃばっているなんて言う話は聞いたことがないので、日本独特の現象に思える。サッカーの日本代表監督の通訳をした人が後で、ぶっちゃけ話を出版するという、プロの通訳とは思えない行動がまかりとおるのを不思議に感じていたが、経済学の世界でも同じなんだなぁと思った。一般的に、日本は、翻訳しただけでかなり大きな顔ができるようである。出版社も、変な人に頼まないで(きちんとした)大学院生とかに頼むと、安くつくし、変にでしゃばらないからいいのではないか?
2.日本銀行の政策委員会から、まともな経済学者がいよいよいなくなるようだ。 FRBとは逆行している動きであり、懸念すべきなのかもしれないが、あまり影響はないのでは。その理由は以下のとおりだ。
- 政策委員会でアカデミックな議論が戦わされているとは思えない。
- そもそも多数派というか総裁の意見が色濃く反映されているようなので、あまり慎重な意見のアカデミックが入ったところで影響があるとは思えない。
個人的にはこの動きは面白いと思う。中央銀行の独立性が重要という考え方とはまったく逆を行っていること、金融政策の拡張しか考えていなさそうなこと、が将来的にどのような影響を生み出すかを見る上でよりわかりやすいサンプルになってくれるからだ。下手に歯止めをかける人がいるよりは突っ走ってくれたほうが、いいtreatment groupになる気がする。
3.最近はアメリカのいろいろなところでマクロの日本人の若手に遭遇する機会が増えている。例えば、昔なら、IMFのスタッフエコノミストとか言うと、こんなところに日本人が入れるんだ、という感想(感動)を持ったものだが、いまやたくさんいる。同じワシントンDCで言うと、FRBで活躍し始めた人たちもいる。清滝さんや林さんクラスの人は最近出ていないのだろうが、ちょっとづつでも裾野が広がっているのはいいことだと思う。将来的に、アメリカでの集まりができたり、ネットワークが強化されるとうれしい。
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