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- himaginaryさんが、Alex Tabarrokという主にブログを書いているように見える人の、ブログ礼賛論のようなものを記事にしていた。もちろんブロガーが書いているので、ポジショントークとして捕らえた。個人的には、ブロガーなんてそんなに影響力はないと思う。KrugmanやSummers、Bernankeなどがブログのような媒体に書くと皆が話題にするのは、彼らが学界できちんとした実績を上げた人たちであり、彼らのようなdeep thinkerの考えていることは聞いてみたいからだと思う。実績もなくて、ブログがメインの人の影響力なんて限られているのでは。
- Tabarrokという人はブログの役割として、柔軟に他の関連分野の知見を取り入れる、というようなことを挙げているみたいだが、そのようなことは行動経済学のような人たち等が学界でずっとやってきたことである。ブログがそういう方向性を志向しているとしたら、別にそのことはブログの革新性を示すわけではない。裏づけとなるきちんとした研究もなく学際的なことをブログで急に言い出して、誰がちゃんと聞くのだろうか?
- インドについての研究が少ないので、ブログとかでカバーできればいいのにという意見も紹介されていたが、正攻法は、インドのことがもっと研究されるように手を尽くすことだろう。日本の経済についてのブログ記事も多く書かれているが、それらが、日本の経済政策の方向性に(良い)影響を与えただろうか?ちゃんとした裏づけがなされ、きちんとした議論を経て磨かれた論文がもっと増えて、政策に影響を与えてほしいと願っている。日本で言えば、学界が日本のホットイシューについていい論文がもっとかかれるようにインセンティブ付けをすることが必要だと思う。
- もちろん、学界で行われている議論を一般の人にわかりやすく紹介するというようなブログの役割もある。アメリカはこの部分も層が厚いし、インドや日本はこの層ももっと厚くなってほしいと思うのは自然だろう。だた、ブロガーが自分で政策などの流れを作るようなことはアメリカだって起こっていないと思う。学界での議論ではなく、ブログでのみ金融政策を語る人が金融政策を決定する人達に影響を与えるだろうか。ブロガーの層が厚くなることと、政策決定に関わる研究の質を上げる、あるいは政策決定に関わる人の質をあげることは別の話だと思う。医療・健康に関するブログが増えて、医学の最先端の知識が一般に伝わりやすくなることは大歓迎だけれども、そのことは、たいした実績もない人を医療の実際の現場にどんどん参入させることとは違うのでは。
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